海峡から播磨灘に広がる鹿之瀬という砂地の浅瀬があり、きれいな砂礫のあるところに産卵する「いかなご」の絶好のポイントとなっています。
「いかなご」は、明石鯛や明石蛸の餌ともなり、明石海峡の恵みの1つであることは間違いありません。
明石・淡路近海のいかなごが特に肉質が軟らかく美味しいとも言われています。
そんな「いかなご」ですが、毎年2月下旬に「いかなご漁」が解禁されます。
朝5時30分に漁にでかけ6時より網入れ7時より水揚げ開始。 いかなごは、漁師が丁寧にバケツ状のカゴですくい上げ、漁師の奥様たちが競り用のカゴに移し換えます。 このようにして、水揚げ後すぐ競りにかけられます。 競り落としたいかなごは漁港より2分の工場(鮮度が命です)に運ばれます。すぐ小口に分け氷を張りいかなご自身の自己消化を抑え鮮度を保ちます。 魚は浜へ揚げて2時間以内に炊き揚げないと、身が崩れてはらわたの苦みがでます。 運ばれたいかなごは水槽内で潮抜き・混入物の除去を行なったあと計量されます。 |
弊社では毎年15tを目安に「いかなごの釘煮」を作っています。
あくまでも手振り鍋にこだわり、一鍋一鍋丁寧に灰汁を取り、最後で火力をあげ照りをつけます。
調味料に使用している醤油もアミノ酸醤油ではなく『丸大豆醤油』を使用しています。
『丸大豆醤油』は丸大豆に含まれる油分が甘味をもつグリセリンに変化するため、ほのかな甘味とやわらかい風味があります。
「もっとたくさん作れないか?」と聞かれることがあるのですが、工場内の鍋数は34鍋。
「手振り鍋の製法」にこだわる弊社では、鍋数以上のいかなごを仕入れてしまうと、一度に加工ができないため鮮度が落ちてしまいます。
あくまでも「新鮮さが命」ですので、いかなごの仕入れ量と加工量のバランスを大切にしています。
いかなご(生魚)が5キロ入る鍋に調味液をいれ沸きあがらせます。 湧き上がればいかなごを投入。 34個の専用鍋で一斉に炊きあげます。 弊社では、大釜で揚げるのではなく、手振り鍋にこだわっています。 しばらくすると、灰汁が出てくるのでひたすら灰汁取り。 火加減に気を配りながら炊き上げていき、合間にいかなごを崩さないように鍋を振り天地を返します。 これを4〜5回繰り返し、最後に強火で炊き締めます。 |